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フランス撮影日誌7 《ピレネーの山懐へ》 2012-7-07 Sat [世界の車窓から]

ロケも後半戦に入っている。今日は大忙しのスケジュール。
午前中、トゥールーズの町と運河を撮影。10年前にも別の路線を撮影しながら、この町にやってきた。記憶はおぼろ。同じ駅のはずだが、まるで違って見える。まあ昨日何を食べたかも、じっくり考えないと思い出せないアラカンだから当たり前。1998年フランスW杯の初戦で日本とアルゼンチンがトゥールーズのスタジアムで戦い、バティストゥータにゴールされ0:1で惜敗したことは覚えている。それをネタにスタジアムを撮影することは思いとどまった。

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トゥールーズからスペイン国境の町、ラトゥール・ド・カロルへ向かう。
乗り込んだのは流線型のモダンな列車。10年前の撮影ではディーゼルカー・タイプをたまに見かけるだけだったが、今はパンタグラフが付いた電車となり、しょっちゅう見かける。フランス国鉄の主力になっているようだ。ドアもバリアフリーでお年寄りでも乗り降りが楽。自転車も運び入れやすい。我々にとっては窓は開かないけど大きいので車窓が撮りやすい。さらに天気も良くて言うことなし!と言いたいところだが、ピレネーの山間に入っていくにつれ、例のアイパッドが繋がらなくなってイライラ。こんなもんに頼ってはいかんと頭ではわかっているが、手元にあるとつい見てしまう。これから先はずっと山の中。しばらく忘れよう。

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途中駅のフォアで列車の走りを撮るために下車。
撮影が終わったら昼食をとり少しゆっくりしようと思っていたのだが、教会の近くで大きな豚を2頭も丸焼きしているのを見てしまった。これは撮らねばならない。何でも今日は“豚の日”で市民にふるまわれるのだという。中心部の広場では、生ハムの形に削った5キロ以上ある木のかたまりをどれだけ高く投げられるかを競っていた。どちらもフォアの名産である生ハムやソーセージをもっとアピールするため、3年前から始まった町起こしのイベントだそうだ。夢中で撮っている内に列車に再乗車する時間になってしまい、結局昼食抜きになってしまった。車窓のロケではよくあることだが、トホホです。

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終着駅のラ・トゥール・ド・カロルには手ごろなホテルが無いので、田園の中の細い道を車を15分ほど走り、スペイン側の町に宿をとった。昔は国境でパスポートや撮影機材のチェックがあったのに、今は言われなければ気がつかないほど小さな標識があるだけ。フランス県からスペイン県にいつの間にか入ってしまったという感じ。ホテルやレストランでスペイン語が飛び交っているので、それと気がつく。夕食にありつけたのは午後9時半。今日は心底疲れました、ハイ。


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フランス撮影日誌6 《ルルドの聖水》 2012-7-04 Wed [世界の車窓から]

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撮影14日目、キリスト教の聖地ルルドに到着。
人口1万5000ほどの小さな町が聖地となったのは19世紀半ばに起こった出来事による。ある洞窟の中で一人の少女の前に聖母マリアが何度も姿を現し。お告げによってその少女が地面に手を触れたところ清らかな水が湧き出した。さらに、その水を飲むと難病が治るという奇跡が次々に起きたという。以来、世界中から巡礼の人波が絶えない。洞窟内の“奇跡の泉”は今もコンコンと湧き出ているが、ガラス板で覆われていて触れることはできない。その代わり少し離れた場所に蛇口が幾つも用意されていて、水を飲むことができる。専用の容器も売られていて持ち帰りもできる。その辺は俗っぽいけれど、洞窟の周囲には神聖な空気が流れていた。私も“聖水“を飲んでみた。味はやっぱり普通の水。ただ50肩で右腕が上がらなかったのが、その後ずいぶん上がるようになった。まあロケでよく歩き、重い荷物を運び、スチール撮影で必要に迫られ痛くても腕や肩を動かさざるを得なかったことが回復の要因だと思う・・・が、ひょっとしたら“聖水”が効いたのかも!?

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夏のバカンス・シーズンに訪れた今回のフランス。
駅のホームや車内でよく見かけたのが、孫を連れたおじいさんやおばあさんの姿。フランスでは子どもを祖父母に預け、二人だけでバカンスを楽しむ夫婦が多い。夫の親と妻の親が交互に子どもの面倒を見、送り迎えもやってくれて互いの家を行ったり来たりするのだ。日本ではなかなか見られない光景だが、考えてみると極めて合理的なやり方だと思う。夫婦にとっては二人だけの自由な時間が過ごせるし、祖父母にとっては可愛い孫と一緒に楽しい時間を過ごすことができる。さらに日本だと冠婚葬祭以外、めったに顔を合わすことがない互いの家族と毎年1度親交を温めることができるし、旅行気分も味わえる。子どもにとっても旅を経験しながら、いろんな場所で、いろんな大人の中で育つのはいいことだと思う。また出会いの嬉しさ、別れの寂しさを感じることも大切だ。ともあれ、微笑ましい家族の姿を見るにつれ、早くも日本へ帰りたいと思う私です。まだ2週間もあるのにねえ。

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フランス撮影日誌5 《2つの観光列車》 2012-7-03 Tue [世界の車窓から]

ピレネー山脈の西端に位置する標高905 mのラ・リューヌ山。その山頂へ登る登山鉄道に乗り込む。窓ガラスが無いので気持ちよく車窓や乗り出しの画が撮れた。車内も親子連れの観光客がたくさん乗っていて、にぎやかで楽しかった。それは良かったのだが、あいにく霧が出て山頂からは何も見えない。晴れていればバスク地方の町や村、大西洋の海が一望できるそうだが、残念無念。翌日もう一度トライしたが、やはり霧。日頃の行いが悪いということか。いや、霧の車窓の方が神秘的でよかったのだとオジサンはやせ我慢することにした。

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ラ・リューヌ山麓の小さな村で行われていた夏祭りも撮影した。メインイベントはバスク伝統の力自慢大会。村の中心に専用のスタジアムがあり、8人ずつのチームに分かれて綱引きをしたり、35 kgのミルク缶を2つ持ってどれだけ長く歩けるか、350 kgの荷車を一人で何周回せるか、などを競い合う。バスクの男の価値は腕力で決まるのだ。筋肉隆々の大男たちに囲まれ、この村に生まれなくてよかったと、我が身の貧弱な体を眺めながら思う。

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もう一つの観光列車はピレネー山脈の中央部、2000 m級の山々の間を縫って走るおもちゃのような列車だ。元々この鉄道は1924年、ダム建設のためするために敷設されたもので、かつては作業員を現場まで運んでいた。列車は崖っぷちをクネクネと右に左にカーブしながら走っていく。スピードを出すとかなり揺れるので思わず手すりを握りしめてしまう。シートベルトを締めているが、下をのぞくとやっぱり怖い。まるでジェットコースターに乗っている気分。大自然が遊園地のように思えてくる、なかなか楽しい列車だった。

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