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《ロシアW杯:日本へのブーイングに思う》2018-6-29 Fri [W杯観戦記]

海外メディアのバッシングがすごいね。日本サッカーの新しい時代だ。
大きなブーイングは日本に対する期待の現れでもある。批判は大歓迎。
でも、一つだけ聞きたい。自分の国が同じ立場だったら、どうしたかな。

国のメンツより結果? ロマンよりリアリズム?
いや、話はそんな単純な二者択一ではない。西野監督は、その両方を
求めている気がする。リアリズムに徹しながら日本の成長を夢見ている。
試合後のインタビューに、それは現れていた。

「自分の信条ではない。選手も本意ではないと思うんですけど、
 こういう形も成長していく中の1つだと思います」

GL突破を果たした2002年と2010年のラウンド16は、語弊を恐れずに
言えば、おまけの試合だった。日本はまだ、少年のようなウブなチーム
だったし、GL突破で満足していた。おいらも、そう。しかし今回は違う。
自分と相手の戦力を冷静に分析し、持ち駒をフルに使い、余力を残して
ベスト16になった。5大会を経て、初めて日本は世界に伍して臨機応変に
戦える、大人のチームになったと思う。

コロンビア戦・・開始早々から相手が10人という予想もしなかった
展開になっても、冷静な試合運びで勝ち点3を奪った。

セネガル戦・・日本はフィジカルに弱いという定説をくつがえし、
高いインテンシティと諦めないメンタルでドローに持ち込んだ。

ポーランド戦・・先発を6人も入れ替え、失策の多い川島をあえて使う
リスクを課し、一歩間違えれば取り返しのつかない結果を招く10分間の
ボール回しまでして、16強を掴み取った。

長谷部選手は言う。
「真実は結果の中にしかない気がする」

吉田選手は言う。
「僕らは、簡単な状況よりも、追い込まれて苦しい状況のほうが
 結果を出せる」

前回大会の惨敗は日本選手のメンタルを確実に強くした。
特にあれだけの非難に耐え、日本を救った川島のメンタルの強さに脱帽。
川島を信じた西野監督にも脱帽。自分を恥じるしかない。

練習中の日本代表を伝えるニュースで、西野、手倉森、森保の3人が
話し合っている映像が流れた。アトランタ、リオ、東京五輪の監督が
力を合わせている。これも画期的なことで、ちょっとウルっときた。

日本のネットも賛否両論が飛び交っている。いい傾向だと思う。
ただ、戦うことを避けたボール回しだけを見て、容赦ない非難の言葉を
浴びせる人たちに言いたい。気持ちはわかる。どこかで同じことを思う
自分もいる。でも、なぜそうしたのか、その背景にあるものに、
少し思いを馳せてみてほしい。もっとトータルに見てほしい。

今日のニュースで、ポーランド戦を見ていたおっさんが言っていた。
「これは子供に見せたくない試合だ」
おいらは「サッカーにはね、こういうこともあるんだよ」と
きちんと説明できる大人でありたい。

私の拙い文章よりも、もっとよくわかる記事がある。
Number に寄せたスポーツライター戸塚啓氏の記事だ。
ぜひ読んでほしい。
http://number.bunshun.jp/articles/-/831215


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