《東京五輪2020開会式に思う》2021-7-24 Sat

一夜明けて、開会式を批判する記事やネット民の
悪意に満ちたコメントに暗澹たる気持ちになる。
良いところしか見ようとしない私にも大きな問題があるが、
あえて書きたい、いい開会式でホッとしたと。

盛大に祝うわけにはいかない難しい状況の中、
豪華絢爛で奇抜な舞台装置もなく、
ことさらに日本の文化・歴史・自然美を謳うこともできず、
大観衆の歓声と拍手もない、簡素で静かな開会式だったが、
主役はオリンピックに集まった世界各国の選手たち、
それを思い出させてくれた開会式だった。

白眉は選手の入場行進。
床が白だったせいか、カラフルで多彩な民族衣装が映えた。
どの顔も笑顔ではちきれんばかり。喜びに溢れていた。
57年前、東京オリンピックの自由で一体感に満ちた
閉会式を観た時の、１０歳の自分を思い出させてくれた。

またアイルランド選手団のお辞儀、各国のユニホームに
散りばめられた桜や富士山、ハッピのデザインなどに
日本への感謝と敬意の気持ちが感じられて素直に嬉しかった。

ドローンで描いたエンブレムと地球に驚いたけど、
木で造った五輪にも日本の伝統の技が生きていたと思う。
ピクトグラムのパントマイムには大いに笑ったし、
大好きなジャズピアニスト、上原ひろみの即興演奏と
海老蔵の豪快な見栄のセッションも良かった。
もう少し２人のツーショットが欲しかったけどね。

他にも、医療従事者など無名のエッセンシャルワーカーや
震災被害を経験した子供たちが合唱や聖火ランナーとして
多数参加しているのも良かったし、これまでIOCの反対で
できなかった1972ミュンヘン五輪テロの犠牲者に対する
黙祷と森山未来の追悼の踊りもいい演出だったと思う。

とにかく賛否両論があるのは当たり前。
私は、これまでにない開会式で良かったと思っただけ。
わかる人にはわかる、と信じて。

本来なら、そろそろ埼玉スタジアムへ行く時間だけど、
スウェーデン vs オーストラリアと
ニュージーランド vs アメリカの試合を観る予定だったけど、
愚痴を堪えて今日もテレビの前で応援することにする。
なでしこよ、イギリスに勝ってくれ！
せめて勝ちたいと思う気持ちだけでも見せてくれ！
おっと弱気がバレバレ。いかん、いかん。