《Blue Giant を観て》2023-4-14 Fri

というわけで、先日観たアニメ映画「Blue Giant」について。
若い頃から好きだったジャズをテーマにした漫画だし、
原作を初回から読んでいたので観に行った。（今も連載中）
が、やっぱり演奏をいろいろ想像できる漫画と違って
実際に音が聴こえる映画ではがっかりしてしまう。




ダイ（宮本大）のテナーサックスの演奏が全然違うのだ。
ソニーロリンズとジョンコルトレーンをミックスしたようなプレイを
勝手に想像していたのだが、キレイすぎるし、アドリブが型にハマりすぎている。
想像を超えない。それなのに映像が勝手に先走り、驚くべき演奏のような
モンタージュになっていた。これにもガッカリ。




まあ、しょうがないかなあ。
じゃあ誰が吹くんだって話だし、みんな死んじゃったし。
自分の好きなあの時代のジャズは、もはや今の時代とマッチしない音楽なのかも。
ただユキノリ（沢辺雪祈）のピアノはハマっていた。勝手に想像していたのは
時にビルエバンス、時にマッコイタイナー。しかし上原ひろみの演奏は
繊細さと奔放さを併せ持つ、まさに若いユキノリにぴったりのピアノだった。
これは拍手喝采。



それと最後のシーンが秀逸だった。
「Blue Note」ならぬ「So Blue」でのライブ。原作は最後までサックスとドラムの
２人だけの演奏だったが、映画では事故にあったユキノリがアンコールに登場し、
左手だけで演奏したのもよかった。ちょっと感動。もう一度観たい、いや聴きたいと
思ったシーンだった。

ヨーロッパ編、アメリカ編も観てみたい。
でもなあ、ついでに観た「すずめの戸締まり」もそうだけど、面白いとは思うが、
アニメ映画はやはり後味が軽い。これも好きな漫画だった「沈黙の艦隊」が、
今年９月に実写版の映画になるそうだが、果たして・・これはアニメの方が
よかったんじゃない？ありゃ、もうアニマ版はあるみたい。観てみよう。