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《いのちを考え続けよう》 2006-3-25 Sat 晴れ    [ようこそ先輩]

ようやく春を実感する、あたたかな1日。
先週、故郷の宇都宮で課外授業のロケ。先生は作家の立松和平さん。母校は、西原小学校。校長室の壁に飾られた歴代校長の写真の中に、知っている顔が2人いてビックリ。中学時代の体育と美術の先生だった。すっかり忘れていたが、写真を見ている内に声が蘇ってきた。変な気持ち。今の校長じゃなくてよかった。でも考えてみれば当たり前。二人ともとっくに定年を越えている。自分がすでにあの当時の先生方の歳を越えているのだ。なかなか実感できないけど。


立松さんの授業のテーマは“いのちの物語”を書こうということ。
テーマが大き過ぎた。難しかった。こちらの思惑通りにはなかなか進まなかった。しかし、現実は常にテレビ屋の浅薄な構成案を裏切る。立松さんの母上が、授業第1日目の日、脳内出血で倒れ、危篤状態になってしまったのだ。入院された病院は、1年半前、私の母が運ばれ亡くなった病院と同じだった。このまま授業を続けていいものか、立松さんと話し合った。「大丈夫、最後までやります。」と言ってくれた。
授業2日目、子供たちは家族を取材し、自分といういのちの誕生の物語を自分以外の人(多くは母親)、あるいはモノ(ベビーカーや哺乳ビン)を主人公にして書き、発表した。そして立松さんも「息子への最後の手紙」という文章を書き、生徒たちの前で朗読した。それを聞き、私は教室の隅で嗚咽をこらえるのに必死だった。母を思い出していた。我々の生のまわりには、何と多くの死があることか。そんな当たり前のことを痛感した。今、編集構成に悩んでいる。こんなにも大きな出来事を、28分30秒にしなければならないテレビ。立松さんの母上は今も意識は戻っていない。
 


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